環境教育に関するトビリシ政府間会議宣言では、環境教育の意義・内容を以下(要約)のように格調高く唄いあげている(佐島・中山、1993)。 「現在および将来の世代のために、環境の保護・改善を開発と関連づけて行うことが必要であり、環境と資源の利用に前向きの行動パターンを育成するために、科学や技術の成果を利用した教育が必要である。環境教育は、本来、総合的な生涯教育で、倫理的価値を配慮した、環境保護を行うのに必要な技能や属性の育成のために、学際的基盤に根ざした全面的なアプローチを採用し、人間ひとりひとりが、それぞれ特殊な現状の中で積極的な問題解決の過程に関わるようにするとともに、よりよい明日を建設することに対し、主体性と責任感をもち参画することを奨励するものでなければならない。」 このように、現在の国際的な環境教育の流れを作ったと言えるベオグラード(1975)およびトビリシ(1977)両会議の宣言資料を見ると、「実践者の育成」と、その先にある、「現在の危機的状態から、地球と人類を救う行動を起こすという、明確な使命観を持った社会の転換」という環境教育の目的がはっきりと見えてくる。 さて、この流れを組んで、世界では現在どのように環境教育が進められているのだろう。今年度の調査から、紹介していくことにする。
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